2012年9月30日日曜日

絵本『あゆちゃんのお顔』より 13



次の朝、ドンタは里にお姉さんをたずねる旅に出ることになりました。
おかあさんは、ドンタにおむすびを作って、せなかにくくりつけてくれました。

「たびの途中、いろいろなことがあろうが、男の子なのだから、
 がんばって行くのだぞ――。」

とおとうさんとおかあさんは、ドンタをはげましました。

「いってきます。」

元気のいい声で、ドングリ山の家をあとにしました。

もう、ルンルン気分です。

すこしさか道をくだった、ナラの木の下で、カサ、カサと音がしました。
いったいなんだろうと、ドンタはジーッとみていると、なんと、なんと、
大きいからだをした、青ダイショウくんでした。

「どうしたの、もうすぐ雪がふってくるのに、まだ、青ダイショウくんは、
 土の中に入らないのかね。」

「はい、じつは私もそう思ったのですが、からだが長くて、大きいものだから、
 なかなかいい穴がみつかりませんので。」

と、ぼそぼそ声で、青ダイショウくんはいいました。