次の朝、ドンタは里にお姉さんをたずねる旅に出ることになりました。
おかあさんは、ドンタにおむすびを作って、せなかにくくりつけてくれました。
「たびの途中、いろいろなことがあろうが、男の子なのだから、
がんばって行くのだぞ――。」
とおとうさんとおかあさんは、ドンタをはげましました。
「いってきます。」
元気のいい声で、ドングリ山の家をあとにしました。
もう、ルンルン気分です。
すこしさか道をくだった、ナラの木の下で、カサ、カサと音がしました。
いったいなんだろうと、ドンタはジーッとみていると、なんと、なんと、
大きいからだをした、青ダイショウくんでした。
「どうしたの、もうすぐ雪がふってくるのに、まだ、青ダイショウくんは、
土の中に入らないのかね。」
「はい、じつは私もそう思ったのですが、からだが長くて、大きいものだから、
なかなかいい穴がみつかりませんので。」
と、ぼそぼそ声で、青ダイショウくんはいいました。