2012年9月15日土曜日

絵本『あゆちゃんのお顔』より 8



「あれ、小人さん、お口はもっと大きい方がよかったのに。」

とあゆちゃんがいうと、

「わがままいってはいけません。
 あゆちゃんがステキなレディーになるように小さな口にしてあげたのです。」

と小人さんはいいました。

パッチリ目に、長いまつげ、黒いまゆ、それにお口もついたし、
よく聞こえる耳もつけてもらったので、早く自分の顔がみたくなり、
鏡をかしてくださいといいました。

すると小人さんは、

「まってください。まだ残っているものがありますよ。一番大事なおはながついておりません。
 おはなは高い方がいいですか、ひくい方がいいですか。」

ゆうべ、おかあさんとおとうさんが、『生まれてくる子は、おはなが高いといいわね。』
という話をしていたので、

「小人さん、うんと高いのにしてください。」

とあゆちゃんはいいました。

「はい、よくわかりました。」

小人さんが高いはなをつけてくれようとしたとき、あゆちゃんの心が変わりました。