「あれ、小人さん、お口はもっと大きい方がよかったのに。」
とあゆちゃんがいうと、
「わがままいってはいけません。
あゆちゃんがステキなレディーになるように小さな口にしてあげたのです。」
と小人さんはいいました。
パッチリ目に、長いまつげ、黒いまゆ、それにお口もついたし、
よく聞こえる耳もつけてもらったので、早く自分の顔がみたくなり、
鏡をかしてくださいといいました。
すると小人さんは、
「まってください。まだ残っているものがありますよ。一番大事なおはながついておりません。
おはなは高い方がいいですか、ひくい方がいいですか。」
ゆうべ、おかあさんとおとうさんが、『生まれてくる子は、おはなが高いといいわね。』
という話をしていたので、
「小人さん、うんと高いのにしてください。」
とあゆちゃんはいいました。
「はい、よくわかりました。」
小人さんが高いはなをつけてくれようとしたとき、あゆちゃんの心が変わりました。