「小人さん、おねがいがあります。
おはなはやっぱり、おかあさんからもらったまんまにしたいのです。」
「そうですね、あゆちゃんのいう通りにしましょう。」
と小人さんがいってくれました。
「あら、あら、もうこんな時間になったのね。十時までに帰らないと、
頭の白い羽根が赤く変わってしまいますから。」
と不思議なことばを残して、小人さんはスーッと、さっき入ってきた、
おかあさんのおへそから出て行ってしまいました。
小人さんは、黄色い手かがみを忘れていきました。手かがみで、そっと、そっと、
自分の顔をのぞいてみると、あら、おはながとても低くって、丸いのに気がつきました。
やっぱり高い方がよかったなあ、と思うと急に涙が出てきました。
くやしくって、くやしくって、おかあさんのおなかを、足で、バタ、バタ、
けりながら大声で泣き出しました。
おかあさんは、あまりの痛さにビックリしました。