2012年9月18日火曜日

絵本『あゆちゃんのお顔』より 9



「小人さん、おねがいがあります。
 おはなはやっぱり、おかあさんからもらったまんまにしたいのです。」

「そうですね、あゆちゃんのいう通りにしましょう。」

と小人さんがいってくれました。

「あら、あら、もうこんな時間になったのね。十時までに帰らないと、
 頭の白い羽根が赤く変わってしまいますから。」

と不思議なことばを残して、小人さんはスーッと、さっき入ってきた、
おかあさんのおへそから出て行ってしまいました。

小人さんは、黄色い手かがみを忘れていきました。手かがみで、そっと、そっと、
自分の顔をのぞいてみると、あら、おはながとても低くって、丸いのに気がつきました。
やっぱり高い方がよかったなあ、と思うと急に涙が出てきました。

くやしくって、くやしくって、おかあさんのおなかを、足で、バタ、バタ、
けりながら大声で泣き出しました。
おかあさんは、あまりの痛さにビックリしました。