2012年8月27日月曜日

絵本『あゆちゃんのお顔』より 2



序文  團 伊玖磨


「あゆちゃんのお顔」へのお祝い

團 伊玖磨

柴俊子(しば・としこ)さんの可愛い本が世の中に出ることを心から喜びます。

忙しいお仕事の中で、こんなに丹念に優しい子供たちへの愛に満ちたものがたりを考え、
そして書き続けている女性が山形に居る事自体、その事が、何度も山形に杖を曳いて、
その街並み、緑の山並み、空を行く雲を美しいと見上げていた僕に、
益々山形を好きにさせました。

柴さんに文の大切さを教え、
心の美しさと大切さを教えた先生である詩人の清田美伯さんが本作りをなさる事も
美しいことだと思います。

どうか、今回だけでなく、二冊目、三冊目と、
きっともっと沢山の可愛い美しい作が生まれますように、
今大切な事は、子供たちへの優しい語りかけなのですから、
子供たちを思う多くの親、多くの人たちに代わって、
柴さんにお願いしたいと思います。

もう二ヶ月か三ヶ月もすると、山形はそろそろ雪支度でしょう。
お母様方、お姉様方、この本の三つのものがたりをお子さんに読んで上げて下さい。
お父様方も、お兄様方も。
おじい様、おばあ様はお孫さんに―。

そして、春が来、夏が来、又秋が、冬が巡って来るいつまでも、
この本が小さな子供達の心に優しさと、愛をそそぐ泉になることを信じます。

一九八六年九月 三浦半島海岸で。