2012年9月6日木曜日

絵本『あゆちゃんのお顔』より 5



「でもね小人さん、あゆちゃんはおかあさんからいいところだけいただいて、
 お顔はできているのでいりません。」

「それはすばらしいですね。でもおかあさんよりもっともっと、
 ステキなお顔に作ってさしあげましょう。」

あゆちゃんは『ステキなお顔』といわれたので、
どうしたらよいのかしばらく考えこんでいました。

「さあ、さあ、あゆちゃん。
 お風邪をひくといけませんから早くお顔作りにかかりましょうね。
 一番目はまゆげにしましょうか。まゆげは黒くて太いのがいいですか、
 それともうすくて細いのがいいですか。」

あゆちゃんは、まゆげってなんだろう。あった方がいいのかな、
ない方がいいのかな、とまよっていました。

そうだ、おかあさんに聞いてみようと思いました。
トン、トン、トン。おかあさんのおなかをノックしたのに返事がありません。
おかあさんは、さきほどおいしいケーキを食べたあとなので、
スヤ、スヤ、きもちよさそうにおひるね中でした。
あゆちゃんはこまったなあと思いました。

すると小人さんは、

「おまかせください。やっぱり黒くて太いまゆにしましょう。」