「でもね小人さん、あゆちゃんはおかあさんからいいところだけいただいて、
お顔はできているのでいりません。」
「それはすばらしいですね。でもおかあさんよりもっともっと、
ステキなお顔に作ってさしあげましょう。」
あゆちゃんは『ステキなお顔』といわれたので、
どうしたらよいのかしばらく考えこんでいました。
「さあ、さあ、あゆちゃん。
お風邪をひくといけませんから早くお顔作りにかかりましょうね。
一番目はまゆげにしましょうか。まゆげは黒くて太いのがいいですか、
それともうすくて細いのがいいですか。」
あゆちゃんは、まゆげってなんだろう。あった方がいいのかな、
ない方がいいのかな、とまよっていました。
そうだ、おかあさんに聞いてみようと思いました。
トン、トン、トン。おかあさんのおなかをノックしたのに返事がありません。
おかあさんは、さきほどおいしいケーキを食べたあとなので、
スヤ、スヤ、きもちよさそうにおひるね中でした。
あゆちゃんはこまったなあと思いました。
すると小人さんは、
「おまかせください。やっぱり黒くて太いまゆにしましょう。」